入山章栄 ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学
ビジネススクールでは学べない 世界最先端の経営学
個人的レビュー ★★★☆☆
ケース研究から導いた結論を分かりやすくまとめている。同著者の前作よりは腹落ちする内容が多かった気がする。2年前に読んだ時よりも経営寄りの頭になっているから、というのはあるかも知れませんが。
中盤のダイバーシティの下りは現在興味薄だったので流し読み。
結論からいうと、4つの要素にしぼられる。
経営者、企業に求められるのは4つである。
クエスチョニング
現状に常に疑問を投げかける態度のこと。
「What if」もしこれを私がしたら(if)世の中はどうなるか(What)」
組織学習に重要な基本原理は「サーチ行動」
長い目で見れば成功確率を上げられるのは、「最初は失敗経験を積み重ねて、それから成功体験を重ねていくパターン」
オブザーヴィング
興味を持ったことを徹底的にしつこく観察する思考。
=知の探索
エクスペリメンティング
疑問・観察から「仮説をたてて実験する」思考パターン=知の進化
アイデアネットワーキング
他社の知恵を活用する思考パターン。ebay創業者「自分がどう考えるか、ではなく、まずこの問いを誰と話すか」=トランザクティブメモリー(Who Knows what)
組織学習に興味が沸いた。ナレッジマネジメントとほぼ同義なのかな?と思った。少し調べてみよう。
<備忘>
コンピテンシートラップ
知の深化と、知の探索のバランスにおける陥りがちなトラップ。
企業組織は本質的に知の深化に偏る傾向がある。
既に利益の出ている分野を深める方が楽であるし、不確実性が高い他の領域について
探索することは徒労に終わる可能性もあるため、敬遠しがち。
しかし、「探索」よりにバランシングすることが「両利きの経営」である。
リアル・オプション理論
不確実性が非常に高い事業環境下では何らかの手段で投資の「柔軟性」を高めれば、事業環境の下ぶれリスクを押さえつつ、上ぶれのチャンスを逃さないという発想。
↓前作。
世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア
- 作者: 入山章栄
- 出版社/メーカー: 英治出版
- 発売日: 2012/11/13
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